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レース参戦記 ASO VOLCANO TRAIL 2026
2026.08.18 ACTIVITY RUN

レース参戦記 ASO VOLCANO TRAIL 2026

2026年5月、熊本で開催されたASO VOLCANOロングコース(114km) にアンバサダーの枝元香菜子さんが出場し、見事女子1位を獲得しました!今回はご本人によるレースレポートをお届け。風光明媚な阿蘇の景色や充実したエイドの様子もお伝えしてるので、トレイルランナーの方はもちろん、山好きや食いしん坊のみなさんもぜひご覧ください。

枝元香菜子


中学から大学までソフトボール一筋。大学4年時に出走した東京マラソンをきっかけに駅伝やマラソンに参加。その流れでトレランに挑戦し、自然の中を走る爽快感やゴール後の達成感などこれまで味わったことのない感覚に魅了され、気づけばトレイルランニング歴も早13年!笑顔で走ることをモットーに、本気の趣味として競技に取り組んでいる。


運命を変えたのは、トレランデビュー戦となった赤城山トレイルランニングレース15kmの2位副賞でもらった袋いっぱいの地元特産たまねぎ。食いしん坊の自身とって何よりも嬉しい賞品で、これが走るモチベーションとなった。2025年にはずっと憧れていたUTMBを完走した。

念願のASO VOLCANOエントリー

ASO VOLCANO TRAILは第1回大会の時から気になっていたレースの1つだ。2022年南阿蘇カルデラトレイルにゲストとして呼んでいただいた際に、阿蘇ならではの景色を見て、次は絶対ロングレース(その当時は、ASO ROUND TRAIL)で走りたいと思っていた。これまでに大会に参加した知り合いから、エイドや雰囲気がとても良く、晴れたら景色が素晴らしいと聞いており、いつか必ず出ようと心に決めていた。しかし、ここ3年は4月末に行われる Mt.FUJI 100で100マイルに出走していたため、大会期間が近い阿蘇へのエントリーは断念せざるを得なかった。昨年UTMBを完走し100マイルを卒業した今年こそ走れるチャンスと、早々にエントリーすることを決めていた。

ASO VOLCANO TRAILは、熊本県・阿蘇地域を舞台に、「阿蘇の草原を次の千年につなぐ」を理念に掲げ、競技を通じた草原保全活動や地域振興を目的として開催されている。参加費の一部は草原保全活動に充てられ、大会開催に合わせて古道や防火帯(輪地)の整備が行われるなど、競技と自然環境保全を両立させた大会運営をしている。

コースは世界最大級のカルデラを有する阿蘇地域を巡り、普段は家畜防疫の観点から立ち入りが制限されている牧野(放牧地)を、年に一度だけ特別に走れるのが特徴。雄大な草原や外輪山、火山地形、里山など、阿蘇ならではの多様な自然景観を体験するとともに、阿蘇が誇る美味しいエイド食を堪能できるのも魅力のひとつ。

私が参加したロングコースはASO MILK FACTRYスタート、アスペクタゴールの約114km、累積標高約5,000m。同日に開催されたショートコースは旧上色見小学校スタート、アスペクタゴールの約32km、累積標高約1,200mで実施された。

レース当日

朝4時に起床。朝ごはんは、母の手作りお稲荷さんでチャージ完了。今回の相棒RUSH3Rに詰めた必携品を再チェックした後、念入りにストレッチをしてからチェックアウト。荷物を預け、テーピングをしてからスタート会場に向かった。

ワクワクの旅の始まり。

午前7時にASO MILK FACTORYをスタート。多くの人たちに見送られながら114キロの旅が始まった。100マイルレースでは110~120キロ前後で気持ち悪くなってしまう私にとって、今回の距離はどっちに転ぶか微妙な距離。それに加えて連戦のダメージもある。そのため、今回はマイペースで進み、エイドではしっかりと補給をし、最後まで笑顔でレースを楽しむことを目標に走ることとした。

スタート直後はまだ暑くなく、少し汗ばむ程度。このままだといいなと思いつつも、空にキラキラ輝く太陽がこれから暑くなることを物語っていた。男性選手の流れに乗って登っていくと、草原に辿り着く。一面に広がる緑の絨毯と外輪山の景色。「これが阿蘇名物の大草原だ」と一気にテンションが上がった。ついついスピードを出したくなってしまうが「まだ序盤、冷静に」と抑えながら進む。しかし、ここでアクシデント!?15キロ過ぎに右股関節に微妙な違和感が生じる。「まだ100キロ弱あるけれど」と不安を感じたが、美しい景色で気持ちを誤魔化し、持ち前の「なんとかなる」精神でとりあえず突っ走る。

不安が生じつつも右股関節は悪化せず、気持ちの良い草原ランを堪能して、第1エイド21キロ地点に到着。このエイドの地元特産品はソフトクリーム。エイドに向かうまでのロードは、ソフトクリームのことしか考えていなかった気がする。しかし、給水しながらあたり見渡すも誰も食べていない。提供場所を見つけ、「ソフトクリームください」と元気よく言ったが、、まだスタッフの方々が必死に準備中だった。食べられなくて残念と思いながら、補給食の入れ替えをしていると、「まだシェイクみたいだけど」とスタッフの方から手渡された紙コップ。感動、美味しすぎて言葉が出なかった(詳細は大会動画参照)。本当に感謝しかない。ソフトクリームチャージのおかげで心も体も復活!

外輪山の景色に感動。容赦ない暑さとの戦いがスタート

次に目指すは大観峰。登りが急というのは噂に聞いていたが、なかなかのきつさだ。前後の男性選手と声を掛け合いながら、トレインで大観峰へ。登った先では大会公式応援ランナーの鬼塚さんのハイタッチ。疲れが一気に吹き飛んだ。さらに、大観峰からは青空とお釈迦さまの寝姿コラボをバッチリ見ることができ、胸の高鳴りは最高潮に。しかし、「ここからあっちの山まで走るのか」とまだまだ続く長い道のりに少し緊張感を覚えた。

36キロ地点の第2エイド国造神社では、「ナイス笑顔」と大会スタッフの塚原さんのお出迎え。知り合いに会えると元気をもらえる。さらにスイカをバクバク、イチゴサイダーをゴクゴク3杯。これがもう本当に美味し過ぎでした。もっと飲みたい気持ちを抑えて、後ろ髪を引かれながらエイドを出発。


エイド出てすぐにどっちに進めばいいか分からず小ロスト(笑)「山より下にいる時の方が迷う」というランナーあるある。無事にコースを見つけ、ほっとしながら先に進む。気温の上昇に伴い、汗の量も増えていると実感。とりあえず対処しておこうと「UMI」(by OIENA)を投入する。

この区間の名所・ORECロードでは、出入り口でORECの方々の熱い応援もあり、綺麗に草刈りされた芝の上を気持ちよく走ることができた。しかし、暑さに加えて草原に降り注ぐ直射日光は、体力をどんどん奪っていく。少し疲労を感じつつ、51キロ地点の第3エイドに到着。ここは最後のサポートが入れるエイドだ。とりあえずゆっくり補給をしようと、母と話しながらおにぎりやパイナップルをもぐもぐ。その間に同じラRUSHランナーの伊東ありかちゃんがエイドに到着し、パッと補給を済ませ、颯爽と出発していった。

特に焦る気持ちはなく、さすがだなと麦茶を飲みながら見送った。「そろそろ行くかな、次はゴールで」と母と別れ、私も出発。

補給と応援パワーで暑さに打ち勝つ

太陽が照りつけるなか、ロードと草原ランが交互に繰り返される。初めは感動を覚えた草原も暑さのせいか、だんだんと修行に思えてくる。途中で前を走っていたありかちゃんや男性選手に追いつき、おしゃべりタイム。一人旅はきつくても、誰かと走ると長い道のりもあっという間に感じる。時刻は14時半過ぎ。だんだんとお腹が空いてきて、頭の中は次のエイドで提供される根子岳カレーでいっぱいになった。早くカレーを食べたい一心で、下りのロードはまぁまぁなペースで駆け下ることができた。毎回エイドのおもてなしが最高で、ついつい長居したくなってしまう。美味しいエイド食と応援にパワーをもらい元気に出発。

「まだまだ元気、いけるぞ」と思っていたが、この後の長いロード区間は予想外だった。特に延々と続く上り坂は何度も心が折れかけ、ウォーキング。だんだんと重くなる足に鞭打ち、ところどころカーブで前に小さく見える選手を目標に進んだ。山区間は、前を走っていた男性選手と走れたので、気持ち的に楽に感じた。A6高森峠エイドでもしっかり補給し、エイドの方々から熱いエールをいただき、最終エイドに向けて出発。時刻は16時40分すぎ。夕方になり、気温も落ち着いてきた。ここまで来たら、たとえ気持ち悪くなったとしてもゴール以外の選択肢はない。

ASO VOLCANOを三連覇している小林誠二さんから、レース前日に「このコースで、本格的な山になってきついのは、高森峠からで、基本的に走れるから」と言われたが、もうここに来るまで十分きつく、ロードであっても走れず歩いてしまった。さすが、3連覇のレジェンドは次元が違うことを改めて実感した。

ゴールは笑顔で「ボルケーノ!」

レースもいよいよ終盤。最終エイドに向かう下りの途中で男性選手に追いつき、楽しく話しながらエイドイン。とりあえず元気に最終エイドまでたどり着けたことにほっと胸をなでおろす。コーラとシチュー2杯でこの後ラスト20キロのためにエネルギーチャージ。シチューが美味しすぎて、ご飯が欲しくなるほどだった。どこで気持ち悪くなるか不安を残しつつも、みんなに見送られ「ボルケーノ」と元気に出発。ここからは、自分との戦いがスタート。長い登り返しに負けそうになるも、トレイルに入ってから駒返峠まで後ろから来た男性選手と進めたことで、なんとか耐えることができた。

さすがに疲れて、登りきったところでは2分ほど寝転び休憩。そこからの一人旅は、「まだ気持ち悪くなっていないしいける」と自分を鼓舞しながらゴールへ前進した。地蔵峠から下りに入り、ラストだと飛ばしていたところで、まさかのロード登り返し。想定外と呟きながらも登り切り、残すはゴールまでのダウンヒルのみだ。眼下に見えるアスペクタの眩い光、聞こえてくる音楽。「あぁ、ようやく辿り着いた」と喜びと安堵で胸がいっぱいになる。最後は会場の皆さんに盛大に迎えてもらいながら、笑顔で「ボルケーノ!!!!!」

14時間45分。暑さや疲労で辛い時間帯もあったが、阿蘇の景色、エイド全てを堪能し、大会スタッフや地元ボランティアの方々にも沢山応援いただき、最高&最幸の旅路となった。

くまモンとの写真は宝モン!最後までホスピタリティ溢れる大会に感謝!

ゴール翌日も素晴らしいお天気。ここまでお天気の良いASO VOLCANOは珍しいとのこと。天気に恵まれた年に走ることができて良かった。会場では仲間やレース中に出会った方々と健闘を讃えあう。ロングレースならではの良い時間だった。表彰式には、なんと、くまモン登場。さすが熊本!初めて見るくまモンの動きのポテンシャルにびっくりの連続。2ショットも撮れて大満足!くまモンの毛並みは意外と触り心地良かった(笑)

さらにすごかったのは優勝賞品。楯は地元阿蘇中央高等学校の生徒さんたちの手作り。そして、南阿蘇特産品セットやお米、協賛の杉養蜂園や阿部牧場からの詰め合わせセット、ソフトクリーム年間パスポート、ORECキャップ、JAL往復チケット等々。これまで経験したことのないダンボールいっぱいの賞品にあたふた。大会関係者及び協賛企業の皆様に、この場を借りて御礼申し上げます。

また、2026年7月28日に発生した熊本地震で被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げるとともに、被災地の1日も早い復旧・復興をお祈りいたします。

ショートもロングもRUSH 3R

Xtrail by UTMBで初めて使用して以降、今シーズンの相棒になっているRUSH3R。ショートレースから必携品の少ないロングレースまでこれ1つで行けてしまう。見た目以上に沢山入るし、ポケットも大きいので補給食をしっかりと入れられる。そして新RUSHはフィット感がこれまで以上に良くなったうえ、RUSH3Rは背面がメッシュ生地になっているため通気性抜群。今回のレースも暑い時間帯が長く続いたが、相棒のおかげで最後まで快適に走ることができた。