日本列島を丸ごと楽しむ

「日本列島を走って、ひとつなぎのロングトレイルにする。」

ここで記すのは、上の一文に要約されます。

アメリカやニュージーランド、ヒマラヤなど、世界には名だたるロングトレイルが数多くあります。その中に、日本を丸ごと楽しめるルートがあったらどうでしょう。そんなことを考えました。好奇心の赴くままに、全長5,000km、9月末まで、約80日間におよぶ縦走計画を立てました。

今もマタギが暮らしていそうな東北の深い山々、谷川連峰や日本アルプスの美しき稜線、固有の高山植物が咲き誇る白山--。それらの山のふもとには、時に厳しさを見せる自然とともに生きる人の営みがあります。縦走することで、土地に根付いた暮らしをもたどれます。日本の歴史や文化、その連続性にふれる旅になるはずです。

このページを通じて興味を持ち、トレイルを走り、旅に出る。あるいは記事や写真を通じて、縦走を共有していただければ幸いです。

  • 今週のマガジン

    この連載は若岡さんの旅の記録を、彼自身の言葉で振り返りながら、日本の自然の豊かさやロングトレイルの良さを発信していきます。

    若岡拓也の日本列島大縦走 #15(最終回) 
  • 今週の動画

    第7集は苗場から菅平まで。日本で最も有名なロングトレイル「信越トレイル」を縦走します。

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Great Japan Trail

2023/7/15 START

  • 若岡拓也

    地元の北國新聞社で新聞記者として勤め、退職した2014年に走り始め、同年のジャングルマラソン250kmで3位入賞を果たしました。走ることの楽しさに目覚め、国内外を問わずに山岳、砂漠、雪原、果ては極地などを舞台にした超長距離レースに出場しています。2021年には書籍「日本山脈縦走」に記された約60年前のルートもとに、山口から青森までを山でつなぎ、3,000kmを2カ月で踏破。今回のプロジェクトはさらに距離を伸ばした挑戦になります。

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8/19 GREAT JAPAN TRAIL | 若岡拓也の日本列島大縦走 インタビュー

  • 全長5,000km、獲得標高140,000mの道のりを走ります。レースでもないのに、なぜ走るのか。それは1日を長く使うためです。印象的な景色や人との出会いがあれば、足を止めたり、歩いたり、そこで長く時間を使うことができます。という理由のほかに、白状してしまうと、走ることが好きだからです。山が好き、走るのが好き、旅が好き。好きなことを掛け合わせたら、この縦走計画になりました。

    日程としては、走る方が好ましいです。冷涼な北海道、アルプスなどは夏山シーズンを終え、雪が降り出すと難度が上がり、装備を増やさねばなりません。そうなる前に、足取り軽く走って踏破していきます。

  • 山が好き、走るのが好き、旅が好き。好きなことを掛け合わせたら、この縦走計画になりました。やってみたいことをやれるのは幸せなことです。そんな縦走を通じて伝えたいメッセージがあります。

    「日本の山、いいよ」

    これだけです。よき山、よきルートは甲乙付けがたいほどにあります。

    以前、海外のレースに出場した時のことです。「日本のロングトレイルって何がおすすめ?長ければ長い方がいいよ」と聞かれ、答えに窮しました。おすすめしたいトレイルはいくつもあるけれど、絞るのは難しいものです。それなら、日本を丸ごと紹介できるトレイルを作ろう。そんな思いつきがここにつながりました。

  • 長い挑戦を続ける上でやらないことを決めています。

    「夜はできるだけ山に入らない」「全力を出しきらない」「眉間にしわを寄せない」

    レースのように記録や順位がつくわけではありません。景色を楽しめない夜間にリスクだけを冒すのも、全力を出し切ったせいで、想定外の出来事に対応できないのも不本意です。眉間にしわを寄せたくなる時でも、そんなキツい状況すらも楽しみたいと考えています。

    ストイックに走るのも好きですが、それだけだと肩が凝るはず。ルートを作り、多くの人と共有することが目的です。ちょっとだけゆるく、肩の力を抜いて寄り道もしながら進んでいきます。

  • 自然との対峙

    とても長い道のりの途中で、気象の変化に振り回されるのは避けられません。そんな時には、どう負けるかが大切です。どれだけ鍛えようとも、どれだけ走ろうとも、自然には勝てません。北海道やアルプスでは、夏でもちょっと気温が下がれば寒さも脅威です。標高の低いエリアでは暑さが厳しく、台風が進路をわずかに変えれば、なす術なく打ちのめされます。野生動物のように臆病に、そして慎重に、できるだけ上手くやりすごせるように自然と向き合う必要があります。

  • 食べ続ける

    燃料のない自動車が走らないのと同じで、食べ続けられないランナーは走れません。2021年に本州の山を縦断していた時は、カロリーを成人男性の2~3倍ほど毎日摂っていましたが、それでも、10kg近く痩せました。さらには1900kmほど走ったところで、4日間にわたり何も食べられなくなりました。疲労や痛みは自分でコントロールできても、食べた分だけしか走れないのだと痛感させられた出来事です。走り続けることは、そのまま食べ続けることでもあります。

  • ともに走る

    すばらしい日本各地のトレイルを一人で走って終わり。それだけではもったいないです。そして、自分だけの力で成し遂げられる挑戦でもありません。いろんな方と一緒に作り上げていくロングトレイルだと考えています。ルート上で合流して並走したり、現地でサポートしていただいたり。あるいは、GPXデータを見て応援していただければ励みになります。全てのルートを走れなくとも、いろんな関わり方を通じて、この縦走を多くの方とともに走りたいと考えています。

旅の装備

  • 長丁場の縦走というとこで、軽さを求めたいものの、使い勝手のよさも考えました。空模様が大荒れの時は、半日から1日程度しのいで、いったん下山する前提で組んでいます。ヘッドライトはトレイルレースほど光量を求めないので、軽いものに。夜は景色が楽しめないので、山での行動は避けます。Tシャツはiメリノウール100%。濡れても冷えにくく、臭わないので枚数を減らせます。Tシャツは大丈夫でも、体は臭うかもしれませんが……。使い慣れたRUSH 30は容量たっぷり。まだ若干の余裕がございます。道中の差し入れをお待ちしております。

  • 若岡拓也の日本列島大縦走 #15(最終回)

    道は続いていく。生ある限り。旅は終わらない。だからなのか、大縦走が終わっても感傷に浸るひまもない。

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  • 若岡拓也の日本列島大縦走#14

    いろんな感情が頭の中をグルグルしている。フィニッシュ間近の安堵感、一抹の寂しさ、残り数日も走り通せるのかという不安。感情がふわりと浮かび、時に混ざり合う。

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  • 若岡拓也の日本列島大縦走 #13

    「ししゃも!」。これはふくらはぎを後ろから見て。子持ちししゃものように、みっちりしているのだそう。

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  • 若岡拓也の日本列島大縦走 #12

    思い返すと、最近はなぜ走るのかだとか、何を考えて走るのかだとか、そんなことを考えなくなった。忘れてしまった。

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  • 若岡拓也の日本列島大縦走 #11

    今回のルートだと、獲得標高は2,000mを超えるが、それほど登った感覚はない。体調を崩し気味だったが、それでも「楽しい」が勝っていた。

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  • GREAT JAPAN TRAIL | 若岡拓也の日本列島大縦走 インタビュー

    2023年8月19日、北海道羅臼岳から出発して1ヶ月、山形県白鷹山に来た若岡拓也さんをパーゴクルーがキャッチしました。旅の3分の1時点のインタビューです。

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  • 若岡拓也の日本列島大縦走#10

    さまざまな恵みをもたらし、時に脅威となる白山への畏敬の念が自然と生活の中に溶け込んでいった結果なのだろう。

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  • 若岡拓也の日本列島大縦走#9

    心から楽しいと思える道を作らねば。改めてそう感じた。走って進むのは行動時間を短縮して、その分、山の景色や人との出会いを楽しむため。

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  • Great Japan Trail vol.7 - Weekly WAKA!【ほぼ今週の若岡 -2023.9.3】

    第7集は苗場から菅平まで。日本で最も有名なロングトレイル「信越トレイル」を縦走します。

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  • 若岡拓也の日本列島大縦走 #8

    神社の境内や参道のようだ。人の手がきめ細やかに加えられているのに、自然を感じさせる空間をつくる点で似ていた。

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  • Great Japan Trail vol.6 - Weekly WAKA!【ほぼ今週の若岡 -2023.8.30】

    第6集は朝日連峰から谷川連峰まで。東北地方の中盤から群馬県までを駆け抜けます。

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  • 若岡拓也の日本大縦走 #7

    会話をしながら、そんなことを考えていた。今回に限らず、いろいろと見聞きするほどに、やりたいこと、行きたい場所は増えていく一方だ。

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  • 若岡拓也の日本列島大縦走 番外編

    全行程の3分の1となる1,500kmを進んだ若岡さんと並走するために、パーゴワークススタッフの“すけ”とパーゴWebマガジン編集長の小林が山形まで会いに行ってきました。

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  • 若岡拓也の日本大縦走 #6

    この週は大勢の仲間と会うことができた。その一つひとつが前に進む力になる。などと書くと、優等生的な発言として好感度が上がらないだろうか。

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  • Great Japan Trail vol.5 - Weekly WAKA!【ほぼ今週の若岡 -2023.8.15】

    第5集は玉川温泉から月山まで。道中の人との出会いを中心にお届けします。

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  • 若岡拓也の日本大縦走 #5

    今回のプロジェクトはタイトルが「日本列島大縦走」と華々しいものの、日々の動きはというと、とてもこじんまりとしている。毎日、朝晩は天気予報をかかさずに確認。

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  • 若岡拓也の日本列島大縦走 #4

    裏岩手縦走路はいつ来ても楽しい。今回のルートは玉川温泉を起点に焼山を経て、八幡平から稜線歩きを始める。この稜線からの景色が気持ちいい。

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  • Great Japan Trail vol.4 - Weekly WAKA!【今週の若岡 2023.8.3-8.5】

    第4集は本州に突入。青森港をスタートし、岩木山、弘前、八甲田山を抜け、十和田湖を目指します。

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  • 若岡拓也の日本列島大縦走 #3

    沢の水は絶えることなく流れ、雲も通り過ぎていく。風は心地よく、目の前に広がる山の景色は美しい。寝転んだまま、昼寝をしかけたところで、はたと気付く。休憩しすぎだ。

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  • Great Japan Trail vol.3 - Weekly WAKA!【今週の若岡 2023.7.28-8.2】

    第3週は北海道ラスト。定山渓温泉から函館港までの道のりを追いかけます。

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  • 若岡拓也の日本列島大縦走 #2

    日本列島がくまなく暑い。北海道も例外ではなく、ちょっと異常な暑さです。最高気温20℃前後に慣れてしまったせいで、無慈悲なる温度上昇に打ちのめされました。

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  • Great Japan Trail vol.2 - Weekly WAKA!【今週の若岡 2023.7.21-7.23】

    2023年7月15日、北海道羅臼岳をスタート。5000kmを超える若岡さんの旅が始まりました。
    第2週は石狩岳から十勝連峰縦走の旅をお届けします。

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  • 若岡拓也の日本列島大縦走 #1

    知床の羅臼岳を起点に日本列島大縦走をスタートさせました。記念すべき初回にも関わらず、このタイトルはなんだ。とジュースの缶を踏んでしまったかのように、ずっこける方もいることでしょう。

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  • Weekly WAKA! - 今週の若岡【2023.7.14-7.20 Great Japan Trail no.1】

    北海道から沖縄まで、日本をひとつのトレイルにつなぐ旅 「若岡拓也 日本列島大縦走」

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  • Takuya Wakaoka Great Japan Trail No. 00

    2023年7月15日、北海道羅臼岳をスタート。5000kmを超える若岡さんの旅が始まりました。第1週は羅臼岳、斜里岳、摩周湖、阿寒湖など、道東の旅をお届けします。

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