MAGAZINE

開発秘話

2021.07.09

開発秘話 vol.1 チェストバッグ編

時代を変え、ブランドの10年を支えた「パスファインダー」の軌跡

2021年は、パーゴワークスにとってはひとつの節目の年。というのも創業は2011年、つまり今年でブランドがスタートしてから10周年。そんなアニバーサリーイヤーを記念して、普段なかなか振り返ることのないパーゴワークスのヒストリーを紐解いていくのが、今回からスタートする「開発秘話」だ。

デザイナーであり基本的にすべてのプロダクトの開発を手がけているパーゴワークスの代表・斎藤徹に、当マガジン編集担当のコバヤシが聞き手となり、プロダクトのこと、開発背景のことを深掘りしていく。

「開発秘話」第1回は、チェストバッグ。創業時の唯一の製品だった「パスファインダー」から最新の「スイッチ」まで、パーゴワークスがいかにチェストバッグに力を入れて開発してきたのかお届けしたいと思う。

第1回ということで、まずはチェストバッグ。でも、そもそもどういう経緯で斎藤さんがパーゴワークスを立ち上げたのか、というところから話していただいた方がいいでしょうか。

紀元前からっていうことだよね(笑)。

パーゴワークスの前は、フリーランスのプロダクトデザイナーとして大手のアウトドアメーカーのプロダクトやバックパックのデザインをしていた。フリーランスになったのは98年なんだけど、その前はデザイン事務所で、同じくアウトドア関係の道具の設計とデザイン。

フリーランスになってからは、依頼の仕事をしながら自分が山に行くための道具を作ってた。本当にしょっちゅう作ってたんだけど、残っているのがコレ。マップケースが付いていて、ツールポケットもあって、チェストに取り付けられるようになっている。「Journey Junky 」っていうブランドなんだけど(笑)。

もうチェストバッグとしての原型はこの頃にはできていたんですね。これ全部、自分で作ってるんですか?

新宿オカダヤや日暮里でナイロン素材を探してきて、ミシンで縫って作ってた。20代の頃から、自分でものづくりをして、アウトドアのブランドをやりたいと思っていて、自分で作って身につけて「これ、売れるかなあ?」ということをやってたんだよね。

さらに遡れば、最初にデイパックを作ったのは中学生のとき。当時は欲しいアウトドア道具はたくさんあったんだけど、お金はなかったから、自分で作るしかなくて。ホームセンターが近くにあっ たから市販の完成品ではなく、素材を買って作ってた。

親父も日曜大工をやっていたし、自分で何かを作るのが好きだったから、その延長で今もDIYをしている感覚。金物は金型が必要だけど、バッグはミシンがあれば作れる。

だから自転車で釣りに行く用に、自転車に取り付けるバッグを作ったこともあった。今でいうフレームバッグかな。50Lくらいのバックパックも作っていたし、洋服も作ってた。自転車用のタイベックのジャケットとかもあったよ。ダサかったけど(笑)

20代のころ、自作のフレームバッグでネパールを自転車旅。

遊びのために作ったチェストバッグがなぜ製品に?

知ってる人もいるとは思うんだけど、兄がアウトドアライターのホーボー・ジュンで、彼と一緒に作ったのがチェストバッグだった。2003年、兄が『四国お遍路バックパッキング(BE-PAL編集部)』という本を出しているんだけど、その取材のために「お遍路用のサブバッグを作ってよ」って依頼されたわけ。

兄は俺がチェストバッグを作っていたのは知っていて、それの白いバージョンでってことだったんだけど、梵字と「同行二人」って書いてある。お遍路だから白装束でしょ。お経とご朱印帳、お香かな。それがちょうど入るカバンがほしいって言われたて作ったもの。すごくクールでしょ?

お遍路モデルはひとつしか作らなかったんだけど、それを見た小雀陣二さん(アウトドアコーディネーター、山料理でも知られる)が雑誌『BE-PAL』で売ろうよって言ってくれて。当時、彼が巻末の通販ページのバイヤーをやっていて、「テツくん作れるんなら製品化してよ」って。で、発売したのが「パスファインダー」だった。ブランド名は兄のペンネームから、「HOBO great works」と名付けた。

自分で製品化して発売したはじめてのプロダクトが「HOBO great works」のチェストバッグだったと。まだパーゴワークス設立前の話なんですが、開発する上でのポイントは何だったのでしょう?

チェストバッグ自体は、もともとは軍用のバッグというルーツがある。米軍の作戦司令官や将校が、自分の地図やドキュメントを入れるケースを胸元につけているんだけど、それがひとつのモチーフになっている。

でも、そのチェストバッグの原型をアウトドア用に作り替えるときに、一番苦労したのが、取り付ける方法だった。バックパックにどうやってアタッチするかってこと。一番いいのはどこにでも引っ掛けられるものなんだけど、ショルダーベルトにも同じバックルをつれば一発でカチッと取り外しができると気づいて、今の「パスファインダー」で使用している取り付け方法を採用した。

「なんで地図なの?」って話だけど、それは純粋に地図が好きだから。高校生のときに競技のオリエンテーリングをやっていたのもあるかな。どこかに行くときは地図を広げて作戦会議するのがワクワクした。当時は今みたいにスマートフォンの地図アプリもなかったし、地図を持って山に行くのは普通だったこともあるけれど。

結構、旅的な用途を想定した機能が盛り込まれてますね。

旅で使えるようにポケットはパスポートサイズ。体の前でブラブラしないように留め具もつけた。これは結構考えた。パーツが乗っているだけだけど、ひっぱると押されて締まるし、ロック解除もすぐできるスグレモノ。細かいでしょ? これはテントポール用のパーツだったからメーカーから手配したんだよね。

テント用のパーツをバンジーコードの留め具に転用。

「HOBO パスファインダー」を作るときに大事にしたのが生産体制。自分で作るのではなく、一流の工場に発注した。韓国のバックパックメーカーだったんだけど、彼らはウチみたいな小規模の生産にも快諾してくれた。それができたのは、フリーランスで十数年、デザイナーやりながら関係を作ってきたから。

「Journey Junky」のときはぜんぶ自分で作っていて、今でいうガレージメーカーそのもの。でも一年半やって挫折した。そもそも自分はデザイナーだから新しいものを作るのが使命。同じものを繰り返し作る性分じゃないって気がついた。ガレージメーカーへの憧れは強かったけど、もっと偉業(great works)を成し遂げたいと思ったんだ。

でも、2003年なんて、まだサコッシュもない時代。ザブバッグと言えばウエストポーチとか?

そうそう。だからチェストバッグなんて当時は受け入れられるとは思ってもいなかった。お遍路本で紹介してもらったこともあったから当時は「お遍路をする人が使ってくれれば十分」と思ってた。

ところが案外、『BE-PAL』だけじゃなく、アウトドアショップからも引き合いがあってさ。登山でも使えるよね、って山岳ガイドさんが使ってくれたりとか。お店で売ってくれたのはWILD-1の入間店が最初。 なつかしいなあ。

でも、実はビジネス的にはあまりうまくいかなかった。自分も兄も副業としてやっていたから、注文が入っても対応できなくて半年くらい待たせたなんてことも。信用なくしちゃうよね。みんな「HOBO great works」というブランドに期待してくれていたけど、応えられなかった。

でも、「HOBO パスファインダー」は2003〜2010年までつづいた。本当にありがたいことに。

HOBO great works 時代の製品タグと、ホーボージュン著『四国お遍路バックパッキング』

それでようやくパーゴワークスを立ち上げると。

地味ながらも7年も生産していると、当初のお遍路ユーザーよりも遥かに山ユーザーが増えてきて、パスファインダーへの要望も変化してきた。だから新たにパーゴワークスとして自分のブランドを立ち上げ、登山用のチェストバッグとして「パスファインダー」をリニューアルすることにした。

ディテールとしては、マップサイズをA4から山地図基準へ。パスポートが入る、初代iPod(笑)が入るという謳い文句はやめて、収納は山で使う道具を想定。かつレインカバーを標準装備にして、後ろ側にスリットをつけて腰に通せるようにした。

チェストバッグの特徴である、ザックへの取り付け方法も改善。そもそもこの10年でザックのハーネスが進化、多様化してるからね、取り付け方法もアップデートしないといけなかった。要になる樹脂バックルは国内外各社からサンプルを取り寄せて、最終的にNifcoのUSR20 に決定。このバックルは裏表なく、操作性も非常に良くて丈夫、パーゴの定番のバックルにしている。よく見るといろんなバッグに使ってるよ。一番のお気に入り。

フリーランスのデザイナーからブランドの代表になって変わったことは?

実は、パーゴワークスを立ち上げるまでは失敗つづきだった。「Journey Junky」は自分で生産するということに限界があったし、「HOBO great works」は兄とやっていたこともあって、100%自分のブランドとして打ち込めていなかった。モノとしてはベストだけど、自分としてもっとやりたいことがあって、それができていなかった。

そういう意味で、パーゴワークスは3度目の正直。とにかく、妥協せずに、納得いくまで自分がこだわり尽くしたものづくりがしたかった。それがようやくできたなって感じ。やっぱり欧米のバックパックメーカーと同じ土俵に立ちたいっていう気持ちもある。ガレージでもなく、日本のメーカーみたいに国内だけで終わるようではなく、もっと世界規模でやっていきたいと思っていて、パーゴワークスを立ち上げて、その一歩がようやく踏み出せた。

「HOBO パスファインダー」のときはホーボー・ジュンのファンが買っていると思っていたんだけど、パーゴワークスとして製品を出して、ようやく生の声を実感できた。本当によかったと思うのが、売り場でユーザー同士が「これいいよ〜って」って話題にしてくれたこと。山でもたくさんのユーザーとすれ違ったしね。嬉しかったなあ。

ブランドとしてようやく認められた、デザイナーとして手応えを感じたのがこの「パスファインダー」だった。2003年当時はチェストバッグというカテゴリーはなかったし、「パスファインダー」が元祖チェストバッグとして新しいマーケットを作ったという手応えもあった。

それに当時は自分でお店をまわって営業していたから、お店の評価も、お客さんの評価もダイレクトに返ってきた。怖い部分もあったけど、故障とか不良とかは改善できるから真摯に受け止めてやってた。それは今でもつづけていることなんだけど。

大変だったことってなにかありますか?

なんだろうな。すべてがダイレクトだったよね。毎日実感。2010年代初頭って、ちょうどSNSが広まったときで、ツイッターで「入荷しました!」とか、「こういうの作りました!」とかつぶやくと反応が来たのは面白かった。

ちょうど自分が好きだったU.L.も盛り上がってきたタイミングだったから、新しいガレージブランドも出てきた。「やっと競争相手に巡り会えた!!」と嬉しかったよ。

この頃から販売店向けの展示会をやって、受注をもらうようになった。で、「パスファインダー」の売り上げで他のアイテム作りをはじめた。大変だったのはHOBO時代からずっと影で支えてくれた妻だったと思う。無邪気な夫に付き合ってきたんだからね。

それからずっと「パスファインダー」はつづいていて、マイナーチェンジを繰り返しながら2019年にリニューアルして3代目に。

「パスファインダー」今も現行モデルとしてラインナップしていますが、やはり思い入れのある製品なのでは?

マーケットも、アウトドアの楽しみも変わっていくから、3代目は「今」に合わせて正常進化したモデル。構造をよりシンプルにして、マチつきのポケットが3つ、ジッパーポケットがあるだけ。これまでの「道具の指定席がある」という作りだったものを、「自由席」を増やしたというイメージ。道具がシンプルになってきているので、ポケットはシンプルに。

やはり「パスファインダー」は、パーゴワークスにとっては一番大事なアイテム。一方で、縛られたくない気持ちもある。ミュージシャンだって、一発当たった曲に囚われて…ということもある。大事にしながらも、いつも次を考えさせてくれるプロダクトという感じ。

そして、パーゴワークスとしては、「フォーカス」が2つめのプロダクト。これはアウトドア用のカメラバッグですね。

「パスファインダー」というひとつの成功例があったんだけど、もっと新しいものを作りたいと思ってカメラバッグを。もともと自分用にカメラバッグは作っていたんだよね。というのも、ほんとカメラ必ず山に持っていっていたから。

でも山でカメラって困るじゃん。雨に強くないし、寒さにも弱いし。当時は一番愛用していたのがモンベルのカメラカバーだった。

初代の「フォーカス」は2012年。ちょうどデジタル一眼レフカメラが普及しはじめた頃で、マーケット的にも需要があったし、自分でも欲しかったというのもあった。

それにフリーランス時代にはカメラバッグのデザインを多く手掛けてたから、この経験をもとに保守的なマーケットに風穴を開けたいとも思っていた。正直いってフィールドで使えるものが少なすぎるし、自分が使いたいものがない。日本のカメラメーカーは長いあいだ世界で認められてるのに...なんか悲しいよね。

だからFOCUSはとにかく使い込んでブラッシュアップさせてる。3代目モデルは今まで以上に軽くて強い、どんな環境にも持ち出せるバッグに仕上げたよ。

左:初代フォーカス、中:2代目フォーカス、右:3代目フォーカス(2021)

つづいて「スイング」。チェストバッグだけでなく、ショルダーとしても使いやすいライトなイメージです。

「スイング」を出したのは2015年。レインジャケットとの組み合わせを考えたんだよね。チェストバッグはバックパックにアタッチするから、雨のときはレインジャケットの上につけることになる。そこで「パスファインダー」よりも軽くて水に強く、かつシンプルなものを考えた。

そこで防水性を考えたとき、とにかく縫製箇所を最小にしたいと思った。縫い目から浸水するので、縫製箇所を減らして、かつ外縫いに。内側にはPUコーディングではなくTPUコーティングという溶着素材を使っているのもポイント。

「パスファインダー」は、ある意味「HOBO」の直系だったけど、「スイング」は純粋に自分が山で使いたいものということを追求したデザイン。当時はサコッシュが大ブームだったので、「サコッシュを作って」という要望もあったのだけど、サコッシュだけは作らないというこだわりもあった。

アウトドアに限らず、アパレルブランドとかもサコッシュ出してましたもんね。

パーゴワークスとしてサコッシュを作るのは簡単だし、たぶん売れたと思うけど、新しいものを作るのがデザイナーの使命だから、あまり興味はなかった。それよりもサコッシュはガレージメーカーの登竜門だと思っていて、みんながサコッシュを作る文化を邪魔したくなかった。だから自分はそこにステップをかけない。当時は大手のメーカーもサコッシュを出したけど、それで結局サコッシュという文化はファッションとして消費されちゃったんだと思う。今となっては懐かしい話だけどね。

ともあれ、パーゴワークスとしての「軽くて、防水で使いやすいサブバッグ」が、「スイング」だったということ。

最後は、今年発売した「スイッチ」。チェストバッグでもあり、ショルダーポーチでもあり、いろいろアタッチメントできたり、シンプルながら多様な使い方ができるようになりました。

開発段階で若いスタッフの意見を聞いて、あらためてチェストバッグを作りたいと思ったのがキッカケ。「スイング」の後継モデルの開発という目的もあった。

チェストバッグはもちろんのこと、ショルダーバッグやウエストバッグとして無理なく使えるものができないか?と考えていたんだよね。だって登山だけじゃなくって、いろんな遊びで使いたいじゃん。それでジッパー式を採用したポーチの開発に着手した。

実はスイングまでは紙の地図を前提にした設計になっていたこともあって「縦型」が基本形状だったんだけど、今はもうスマホのアプリだし、紙の地図から開放されたという背景もある。チェストバッグには程度の横幅は必要だから縦型だと大きくなってしまう一方、横型の方がデザイン的には自由度があるし、メリハリがつくので納めやすいというのもあった。

たしかに形状は今までとは違いますよね。生地もデザインもバックパックの「バディ」と同じラインというか。

そうそう。これまでは他社のバックパックに取り付けることを前提にしていたんだけど、「バディ」ができてからはそれを考えなくてよくなった。だから「バディ」との組み合わせも考えてデザインしている。

今年発売した「スイッチ」はバックパック「バディ」への取り付けも簡単。

パーゴワークスのチェストバッグの系譜で新しいところは、このフック。これまでのアタッチメントは、あらかじめ受けとなるパーツをバックパックに付けるから一対一の関係だった。だからバックパックを変えるとアタッチメントも付け替える必要もあった。そこから解放するために、もっと自由になるために構想していたのがこれ。

プロトでは既存のカラビナを使っていたのだけど、新規で開発することで可能性は大きく広がったと思う。

アタッチメント遍歴 左:初代パスファインダー、中:2代目パスファインダー、右:現行スイッチ

チェストバッグとしては、どんどんシンプルになっているんですね。

「スイッチ」の開発のポイントは、小物の収納力と体に装着したときのバランス。つまりは、使い勝手と外からの見え方かな。そのバランスを探す作業。

パーゴワークスでは、ものづくりを「道具」「製品」「商品」の3つの段階に分けているんだけど、「道具」は自分で使えればいい一番ピュアなもの。「製品」は同じものを繰り返し安定的に生産できること。「商品」は新しさとか市場性があるもの。いくらいいものでも誰かがやっているものを作っても価値がないし、新規生は絶対に必要。

うちでは本当にたくさん試作をするんだけど、最初は純粋に自分が使いたいものを何個も作り、テストして、自分の道具として仕上げる。次に現実的な素材や製法をつかって試作を繰り返す。この段階でコストやマーケットも意識するけど、ここが一番キツイ作業だね。アイテムによっては数十個はプロト作るんだけど、どんどんデザインが変化していくし、それが開発の辛くて楽しいところだと思ってる。

これが面白いからやっているんだよね。やらされていると苦痛じゃん(笑)。プロトタイプを作れば作るほどブラッシュアップされていくのが快感。きっと開発中毒なんだね。

正直、フリーランスのデザイナー時代はそういう開発手法はできなかった。明確なお題があったし、ブランドイメージや素材とかもある程度想定できていたから、アウトプットが先に見えていた。でもパーゴワークスになってからは全然違う頭の使い方で、翌朝にもう一度見てみないとわからない。ひとつのモデルを作るのに何年もかかることもあるし。

「パスファインダー」の前身である「HOBO great works」から数えると、10年どころではなく17年とかそんな歴史になってくるのですが、あらためてパーゴワークスにとってチェストバッグとは?

それには、自分のルーツが深く関わってくるんだよね。やっぱり地図が好き。地図って、山で絶対必要なものであると同時に、ロマンもあるじゃない。地図を広げて計画を練る段階から、山に実際に行って行動するまで。そして家に帰ってきて見返すのもそう。それにオリエンテーリングというバックボーンがあったから、余計に地図が好きなんだと思う。

2019年OMM本戦、スイッチのプロトで参戦

でも、チェストバッグを作りはじめたときは山に行くと地図を持っている人が少なかった。俺は地図はいつも持っていないと嫌だったけど、登山の人は登山道を歩いているから、地図といっても休憩のときに出すくらい。自分の現在地を確認するときに出すくらいだったんだと思う。俺は常に持っていたいという思いから「HOBO great works」を作り、「パスファインダー」を作ったんだよね。

今でもそうだけど、マップケースっていうと防水のパウチみたいなぐるぐる巻きのものしかなくて、機能的にはそれでもいいけど、かっこよくない(笑)。そういう意味では、チェストバッグに対するこだわりよりも、マップケースに対するこだわりなのかもしれない。やっぱり胸元にあった方が合理的だし。

あまり売れないだろうなと思っていたチェストバッグが認められたのは、ガジェットが多くなってきたという背景があると思う。昔はポーチといったら飴を入れているくらいだったし、当時はスマホにカメラに、携行できるガジェットが増えた。そういう時期だったのかもね。10年でSNSも増えたし、山の地図もアプリ化して、ガラッと変わった。

だから、パーゴワークスとしては、その時代時代でベストなものを作りたいと思ってる。頑なに「創業50年マップケース一筋!」みたいなブランドではないから(笑)。結果的に時代の変化にも合うものになるのだろうけど、そういう方が開発中毒者としては一生楽しくものづくりが続けられるのかなと。

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